グレイ君のお話

すまいるの日常

グレイ君のお話

先日のグレイ君のお話をする前に、まずグレイ君とは何者なのか、というところからお話させていただこうと思います。

グレイ君との出会いは、2023年の10月。
夜、地元の方がお店に来て、
「車に轢かれたのか、ずっと鳴いている猫がいる。」
と言うのです。
詳しく聞くと、何日か前から神社の前を通ると猫の声が聞こえる。車に轢かれたのか、動けないみたいだ、とのこと…。
いろいろ思うところはありましたが、まずは見に行ってみないことにはわからない…
お店がまだ営業中だったため、店長が代表で神社に見に行くことにしました。

少しして帰ってきた店長は「いた。けど、どうしよう。」と、焦っていました。

店長がその時撮ってきた写真です。
前日から雨が降ったり止んだりの天気だったので、全身の被毛もぼさぼさです。
すぐにでも行ってあげたいと思いました。

お店の営業が終わってから、急いで保護に行きました。

深夜の神社は静まり返っていて真っ暗でした。
暴れたらどうしよう。おとなしく捕まってくれるかな?
不安だらけの中、キャリーケースとタオル、たくさんのご飯やおやつを持って、声をかけながら行くと、こちらの不安なんかちっぽけに思えてしまうくらい、ものすごく不安そうな声が聞こえてきました。
地元の方の話していた通り、下半身は動かないようでした。
どうやって保護しようか…タオルで包んで、抱っこ…抱っこしたら痛いよなぁ…
いろいろ頭の中でシミュレーションをしていると、、、
目の前に置いたキャリーケースに、動かない下半身を引きずるようにして、猫くん自ら入ってくれたのです。
「助けてほしかったんだね………一人ぼっちで不安だったよね。本当によく頑張った。」
ずっと鳴いていたのは誰かに助けてほしかったからなのでしょう。
間に合ったのは本当に良かったと思います。

次の日の朝一、いつもお世話になっている動物病院に連れて行きました。
骨盤骨折。それが猫くんの診断結果でした。
幸いなことに内蔵に損傷がなかったことが、事故から数日経っても生きていられた要因ではないか、とのことでした。
飼い主がわからないので、治療法をどうしようか先生方と悩みました。
もし飼い主が見つからなかったとき、負担する私たちに無理がないようにと、先生のご厚意であまりお金のかからない方法、手術はせず猫くんの自然治癒力に賭けてみようということになりました。
そのまま猫くんは入院です。

不安そうな顔…💦

とりあえずは一安心!
しかし、私たちにはまだやらなくてはならないことがありました。
猫くんの飼い主さん探しです。

SNSで発信し、地元の人には口コミで、いろいろ情報を募りました。
SNSでは多くの方に拡散していただき、たくさんの励ましの言葉もいただきました。
本当に優しい世界です😿♡

数日後、飼い主さんが見つかりました。
そして、猫くんの名前が「グレイ」ということもわかりました。
飼い主さんはずっと帰ってこないグレイ君を心配して探していたそうです。
重症ですが生きていますよ、と伝えると涙を流して「良かった、良かった。」と言っていました。

これで終わったね~…と思いましたが、そういうわけにもいかず…
飼い主さんはご高齢な上、車もないので入院しているグレイ君に会いに行くことができません。
そればかりか、家には電話もないと言うのです…!
グレイ君のお見舞いや先生との治療の相談は私たちが代わりに行くとして、電話がないのでは飼い主さんと連絡を取ることができません。
困ってしまいました…。
連絡は飼い主さんから来るのを待つしかありませんでした。
話したいことがあり直接お家に何度も行きましたが、会える確率はとても低く、申し訳ないのですが、私たちは飼い主さんに対して不信感しかありませんでした。
このままグレイ君を返しても良いものか…

そんな不安を抱きながらも、その後も何度もお家に足を運びました。
そのうちに会えることが増え、話もできるようになりました。
話してみると猫に対する思いは嘘でないこともわかりました。

その間にもグレイ君の回復は凄まじいもので、先生に奇跡の回復力だと言わせるほどでした。
骨盤を骨折しているにもかかわらず、数日後には自分で座っていたそうです。

一週間後にお見舞いに行った時の写真です。
顔つきもしっかりしていて、とても凛々しいですね。
賢くておりこうさんだと先生方にも褒めていただきました。
先生や知り合いの保護団体の方たちと相談して、グレイ君を返すにあたって飼い主さんに絶対に守ってもらう約束事を決めました。

・完全室内飼い
・私たちが負担している治療費の全額支払い

グレイ君は今後歩けるようになったとしても、引きずったりびっこをひいたり、少し障害が残るだろうとのことだったので、もう絶対に外には出してはいけないし、本人も外には出ないだろうと言われました。

そのことを飼い主さんに伝えると、絶対に外には出さないし、お金もちゃんと払います。と言ってくれました。

そして、保護から二週間後、驚異の回復力でグレイ君は無事退院しました。

まだ歩けませんが、前肢の力で腰をあげて後肢を引きずるようにしながら歩こうとしたりしていました。
グレイ君から「歩きたい。」という意思を強く感じました。
退院時に先生からも、あとはリハビリ次第と言われていたので、このグレイ君の歩きたいという強い気持ちなら、きっと歩けるようになると思いました。

飼い主さんにグレイ君を返す日。
おっとり穏やかで優しく、人懐っこく賢い可愛い可愛いグレイ君…返すのが本当に嫌でした。(笑)

グレイ君を返すのは店長が一人で行きました。
飼い主さんとの久しぶりの再会、飼い主さんもグレイ君もとても嬉しそうな顔をしていたそうです。
リハビリも頑張ると約束してくれました。

これで本当に、終わったね~…です。
バタバタと忙しい二週間が、嵐のようにあっという間に終わりました。
私たちがグレイ君と一緒にいたのはほんの少しの時間でしたが、本当に可愛い子でした。

一週間後、店長が経過観察に行くと、室内で飼い主さんに支えてもらいながらリハビリ中だったグレイ君。
抱っこで玄関まで連れてこられたグレイ君は、
「シャー!」

威嚇された!と、店長はニコニコ嬉しそうに帰って来ました。

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